インフラ勉強会セッション 非ITな人へ伝えるポイント
インフラ勉強会で2019/7/14に登壇したセッションです。
7/6の「沼への誘いLT大会」の中で「非ITエンジニアの人とやり取りの中で役立つようなことがあれば知りたい」というリクエストを受けて、私がなんとなくやってることを言語化してみた内容を説明しました。
本で読んだことや人に聞いたことではなく、私自身が頭の中で考えていることを言語化したものなので、中身に一貫性がなかったり、具体的でない部分があるかもしれません。
概要
- 「相手に伝わる」「相手がイメージできるようになる」が正義
- わかりやすさ/伝わりやすさの差は今回伝えたい知識と前提知識の差
- やり方によって関係性が向上することもある
- 体験を設計しよう
- 形式化しよう
コメント要約
「」がいただいたコメント(意訳)です。
なぜ伝えたいかについて
- 「まず認識を一緒にしたい」
イメージできる・自分の言葉で説明できるという状態について
- 「表現方法はマネしていいけど、あくまで自分の認識であることが大事ってことですね」
- その通りです。うまい表現というものはあるので、自分でイメージができていて、それを表す表現として共感できるものであれば結果としてマネになってもOKだと思っています。
言葉とイメージは1:1ではないということについて
- 「たくさんの意味が込められてて、つなげ方で意味がまったく違ってくるのって地味にスゴイですよね 言葉って」
- それが言葉の難しいところでもあり、おもしろいところでもありますね
- 同じイメージを持つための意思疎通の中では言葉の選び方によって歪みが生じてしまうので注意が必要です。
相手がすでに持っているイメージを活用することについて
- 「めっちゃわかる。相手の辞書に無いキーワードは使わないように意識してる」
- 例を挙げるときに「イメージしづらい」「知らない」ことを使うと伝えたいことより、例に挙げた内容に対して「それは何だ?」と脳のリソースを使ってしまうのでよくないです。
- 「伝わりにくい例だったかな」と思ったときは「わかりにくかった/言い方間違えたので取り下げます」と引き下がることも大切です。
- 「伝えるべき相手がどんなイメージを持っているか、がわかることが大事だよね。知識レベルを捉えると言うか」
- その通りです。どういうジャンルの知識をどういう粒度/解像度で持っているかを捉えることができれば、説明するときの言葉の選び方の材料にできます。
- 「八百屋のおっちゃんに算数教えるのに果物ならイメージし易いけど、ミトコンドリアの細胞数で数を表現するとその単語を思い浮かべる事で脳のリソース使って本当に伝えたい事まで意識がいかなさそう」
- 伝える内容と伝える相手によって例の挙げ方を変えていけるといいですね
わかりやすさ/伝わりやすさの差は今回伝えたい知識と前提知識の差(情報的な距離)
- 「イメージの距離が伝わりやすさを表しているのか…」
- このあたりの表現は私の感覚的なものなので、うまく表現できていないかもしれません…
- 「イメージしづらいものだと、やっぱりイラストなり絵なりがあると助けになるんだろうな、言葉ベース、文字ベースだと伝えきれなかったり。」
- 言葉で説明したり図解したりも、伝えたいイメージついて複数の視点からアプローチしていくということに近いですね。
- 「一人一人前提知識が違うのが、集団の前で話すときに、自分のなかでは少し怖い……」
- 1:1ではなく集団に伝えるときの例はさらに難しくて、どういう集団なのか、どれぐらい前提知識のバラつきがあるのかを気にしないといけません。
- 私は、母集団の共通の例を挙げるか、複数の例を挙げてどれか一つでもヒットすれば理解の助けになるように設計するようにしています。
エピソード記憶にするために疑似体験するような何かで説明しよう
- 「ある意味VR訓練…」
- 「ヒヤリハット体験をVRで「食らわせる」のとかありましたね」
- 経験/体験は記憶に残りやすいので重大な事故につながるような事象/状態をVRで疑似的に体験させるような教育を実施している企業もありますね。
- 「無限に時間が使えれば紙芝居系いいなあ…」
- 疑似体験させるような資料は作るのにも時間がかかるので、どれだけ時間をかけるかの判断は難しいですね…
何がわからないのかわからないという状態について
- 「何が知りたい(何をしたい)のかわからないことは多いのかな」
- 「聞く側も何が知りたい、何がしたいのかがわからないケースも結構あると思います…」
- 相手が何を知りたいのかわからないときに寄り添って/相手の視点に立って考えてあげられると、相手からの信頼度がぐっと上がるのでおすすめです。
- 「何が知りたいか」が出てこなくても、「何に困ってるか」「どうしたいか」を聞くと出てくることがあります。
相手のレベルを低く見積もりすぎると馬鹿にしているように感じてしまう
- 「レベル低いと思われてて怒られるパターン」
- 「大人に幼稚園児向けの話しかたと内容だと切れられるのもまあ仕方がないかなとか・・・」
- 「「あるある」の話の方が理解ができますね。」
- 相手の記憶にある材料にヒットできると相手に「自分のことをわかってくれている」と思わせられるので関係性がぐっとよくなります!
一度にたくさん話すのはNG
- 「たくさん出されるとそれだけでこんがらがる人がいます!」
- 「たくさん話されても覚えきれない人です」
- 「伝えたい軸から脱線してるのかどうか制御できなくなるやつ…疲れているときやってしまう」
- 「プログラムの勉強の最初の方で、「これはおまじないだと思って下さい」で流されるとかもその対策かな・・・」
- プログラミングの「おまじない」は、「今はまだわからなくていい」のいい例ですね。
- 私がOJTで説明するときも「今説明するとややこしくなるから今のところは"そういうもの"として捉えておいて」と伝えるときがあります。
- 「覚えてられることに限界があるし、わからないことに対しては特に混乱の元ですからね。ユーザーのレベル感掴むまではなかなか大変かも」
学習者の体験を設計しよう 質問した結果嫌な気分にさせない 馬鹿にしない
- 「心理的安全性!」
- 「「そんなことも知らないの?」は人員の周回遅れコースに行ってしまう…」
- 「口頭は特にそのときの満足感みたいなアドレナリンが出てて実際の理解度とギャップがあるんですよねー…悩ましい」
例え・表現について
- 「例えが毎回カレーの人がいたなあ…」
- 「物事の進め方やシステムの作り方みたいなことをカレーで…「お客さんは特に味を気にせずカレーが欲しいので、スピード重視ならレトルトの性能がいいよね」みたいな例えです」
- 「品質というか、出来具合については「松竹梅」をたまに使います」
- 「「相手の好きなものをあらかじめ想定するのがいわゆる業務エスパー、いちいち具材やルウを聞くのが若干引かれる要件ヒアリング」」
- 「時事ネタ、教養や文化ものの知識は、定期的に仕入れておくと例えの引き出しが増えそうですね!」
感想
思いつくままに資料を作って、思いつくままにしゃべった回でした。 これを聞けばバッチリというものではないですが、少しでもみなさんのヒントになればうれしいです。
自分自身のなんとなくを言語化するのは難しいですが、やってみると考察が深まった気がするのでこれからも思いついたものはどんどん言語化していきたいと思います。
よさそうなネタがあればまた登壇したいと思います。 リクエストも受付中です。